居合刀とは?真剣も所持できる?入手方法や選び方を解説

2022年11月14日(月)

居合刀とは? 居合刀は、居合道で使用される刀のことです。居合道は居合術(抜刀術)と呼ばれる剣技を競う武道で、その歴史は室町時代から始まったとされています。正座の状態から抜刀しつつ仮想の敵に斬りつけ、最後に刀を鞘に納める一連の所作を修練します。
使用する武具は、剣道で使われるような竹刀ではなく、初心者でも日本刀に似せて作られた模造刀(模擬刀)です。有段者であれば、試合で真剣を使用することもあります。
ここでは、居合刀についてどのような日本刀なのか、選び方や入手方法と併せて解説します。

居合刀には真剣と模造刀の2種類がある

居合刀は大きく分けると、有段者が試合で用いる真剣練習用の模造刀の2種類があります。それぞれどのような刀なのか紹介します。

居合刀:真剣

真剣、つまり本物の刀です。居合道の有段者は、演武や試合で真剣を使用する場合があります。
居合刀として使用される日本刀は打刀で、所有者の好みにあわせて拵えを施すことができます。真剣を使用すると緊張感のある稽古ができ、また、試合の迫力は類を見ません。所有するためには銃砲刀剣類登録証が付帯されている刀を受け継ぐか、購入します。

居合刀:模造刀(模擬刀)

模造刀は日本刀を模して作られており、真剣との違いは切るための刃がないことです。
模造刀には観賞用のものがありますが、居合刀の場合はそれ専用に鋳造され、模擬刀と呼ばれます。鋳造方法は砂型鋳造法で、刀身はアルミニウムの含有率が高く作られており、折れにくい適度な強度と軽さを備えているのが特徴です。打ち合うようにはできていませんので、刀同士を合わせることは避けましょう。

居合道とは素早く刀を抜いて敵に斬り付ける剣技を通して人間を磨く武道のこと

居合道とは、居合術(抜刀術)による修練をとおして、強靭な身体と精神を養う武道を指します。居合術は、抜刀の一瞬に勝敗を決める武術のことで、起源は室町時代までさかのぼり、450年以上の歴史を誇ります。抜刀の一瞬で勝負を決めるとはいうものの、居合術を極めると、勝負は「鞘の中」からすでに決まるともいわれ、日本刀がただ殺生のための道具ではなく、ときには人を活かす神聖なものとされた象徴といえるでしょう。

古武道だった居合術ですが、現代では競技としてさまざまな流派に分かれて鍛錬や試合が行われています。スポーツとして親しまれ、自己鍛錬のために居合を習う人も少なくありません。なお、正座の状態から、鞘に納めた刀を抜き、仮想敵へ攻撃を加えて刀を納める…といった動きを競技とするスポーツは世界でも類を見ません。

居合刀の構造

居合刀の構造

居合刀の構造は、日本刀の打刀そのものです。各部の名称は次のとおりです。

刀身(打刀)

  • 切先(きっさき)または鋩子(ぼうし)
  • 横手(よこて)
  • 小鎬(こしのぎ)
  • 物打(ものうち)
  • 三つ頭(みつがしら)
  • 鎬(しのぎ)
  • 鎬地(しのぎぢ)
  • 刃先(はさき)
  • 棟(むね)
  • 刃(は)
  • 刃文(はもん)
  • 平地(ひらぢ)
  • 刃区(はまち)
  • 棟区(むねまち)
  • 鑢目(やすりめ)
  • 目釘孔(めくぎあな)
  • 銘・作家名(表銘)
  • 茎(なかご)または中心
  • 茎尻(なかごじり)

拵(打刀拵)

  • 鞘(さや)
  • 鐺(こじり)
  • 返角(かえりづの)
  • 鵐目(しとどめ)
  • 下緒(さげお)
  • 栗形(くりがた)
  • 笄(こうがい)
  • 鯉口(こいぐち)
  • 切羽(せっぱ)
  • 鎺(はばき)
  • 鍔(つば)
  • 縁金(ふちがね)
  • 目釘(めくぎ)
  • 目貫(めぬき)
  • 柄(つか)
  • 柄巻(つかまき)
  • 巻下鮫(まきしたざめ)
  • 巻止(まきどめ)
  • 柄頭(つかがしら)
  • 頭金(かしらがね)

居合刀の選び方

居合刀について一定の基準はありません。居合刀を選ぶ場合、模造刀であれ真剣であれ、「刃の長さ」「重量」がポイントです。基本的に、長さは身長を基準に決めます。また、初心者か有段者によっても変わります。

160~170cmの人の場合

  • 初心者…2尺3~4寸、800~900g
  • 有段者…2尺4~5寸、1~1.2kg

※流派や個人の身体能力によっても変わる
※女性は男性よりも刃の長さを5分短くしたものがよいとされる

初心者は短め、軽めのものを選ぶのがよいといわれており、まずは無理のない範囲で正しい姿勢や身体の使い方、刀法を身につけることが大切です。

居合刀の所持や入手方法について

居合刀は日本刀に酷似、または日本刀そのものであるため、所持する場合には規制があります。入手方法についても解説しますので参考にしてください。

所持について

真剣の場合

真剣の所持は、銃砲刀剣類所持等取締法によって禁止されています。しかし、美術品や骨董品としての価値が認められた日本刀については、銃砲刀剣類登録証を付与することで所持が可能です。銃砲刀剣類登録証とは、銃砲刀剣類所持等取締法で定義されている刀剣が、所有者の住所地である都道府県教育委員会に登録されていることを示す登録証のことです。中でも刀剣は、伝統的な日本刀の製造方法によって製作されたものという規定があります。本物の日本刀を所持して居合術に臨むのは、まさに日本の伝統、魂を宿して競技に挑むことと同義といえるでしょう。

銃砲刀剣類登録証について詳しくはこちら
刀の所持に必要な登録証とは? 銃砲刀剣類登録証について解説します

模造刀の場合

模造刀の場合、所持する際に特別な許可や登録などは必要ありません。
ただし、厳密には銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)における「模造刀剣類」に分類されるため、正当な理由なく携帯することは禁止されています。正当な理由とは、居合の稽古や競技会のために、道場や会場へ持ち運ぶ場合などです。また、正当な理由があるとしても、専用のケースに入れて持ち運ばなければ、軽犯罪法によって罪に問われかねませんので注意が必要です。

購入方法

真剣を購入したい場合は、通販などの方法もありますが、刀剣商などの専門での購入をおすすめします。銃砲刀剣類登録証の有無がきちんと確認ができることはもちろんですが、実際に手にとって確かめてみることが非常に大切だからです。
模造刀の購入も、取り扱いがある専門店に直接訪れて購入するのがおすすめです。ただし、居合刀の模造刀を販売している店舗はあまり数が多くありません。遠方の場合は、ネット通販を利用するのも良いでしょう。居合刀か判断するには、鋳造方法が砂型鋳造法であることが基準になります。

居合刀の手入れ方法

居合刀を所持したら、定期的に手入れをする必要があります。これも、模造刀と真剣では大きく異なりますので注意しましょう。

真剣の手入れ

居合刀と日本刀で、手入れに区別はありません。日本刀そのものですので、鞘や柄などをすべて外して刀身のみにし、打ち粉や刀剣油を用いてサビから刀身を守りましょう。

模造刀の手入れ

模造刀のお手入れは、とても簡単です。湿気を取ることが重要ですので、良質なティッシュペーパーでもお手入れができます。なお、真剣とは大きく異なり、打ち粉を使用してはいけません。打ち粉は砥石を細かく粉にしたものですので、模造刀に打ち粉をして拭ってしまうと、表面のメッキ処理がはがれてしまい、サビやすくなってしまいます。

居合刀で日本独自の剣技を体現しよう

居合刀は、居合道のための刀で、仮想敵を瞬時の剣技で切ることを目的にしています。居合刀は大きく真剣と模造刀の2種類があります。真剣を使って試合をするのは、実力がある有段者がほとんどです。鍛錬によって極められた眼光、所作、切先の鋭さは見るものを圧倒し、遠くで見ていても、一歩も動けなくなるような緊張感が走るといいます。真剣の居合刀は売買が可能ですので、興味がある方は一度問い合わせてみましょう。

全国刀剣買取センターでは、居合で使われていた真剣の買取を行っています。※模造刀はお買取しておりません。
もう居合をやめてしまった、居合で使われていた真剣を相続した、など、ご不要となった真剣をお持ちの方は、
お気軽に全国刀剣買取センターまでお問い合わせくださいませ。



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