刀剣買取、価格を決めるポイントは?

2015年11月10日(火)

日本刀は武士が誇る最強の武器であり、魂でした。しかし、廃刀令以降は刀をさげて歩くことは禁止され、現在では美術品としての多くの人に愛されています。日本刀の美しさを維持するには手入れが必要ですが、これを怠ると錆びてしまい、再研磨には数万~数十万単位の費用が必要となります。先祖から受け継がれてきた日本刀、購入したものの手入れの時間がとれない日本刀、さまざまな理由があったとしても、錆びて朽ち果てていくのではもったいないですし、日本の大切な文化財である刀剣に対して良いことではありません。

そこで、持て余している日本刀があるなら、買い取りサービスに出してみませんか?押し入れにしまいっぱなしだった日本刀に思わぬ値打ちが付く場合もあります。ここでは買い取りの際、価格を決めるポイントについてお伝えしていきますので、ご自宅の日本刀もぜひ確認してみてください!

◆刀剣の買取価格っていくらなの?

買い取りを検討されたことがある方ならご存知かもしれませんが、買い取りを謳っているサイトでも具体的な価格を掲載しているページは見かけません。確かに相場は存在しますが、一点一点が規格化されたものではなく、状態もそれぞれであるため、おおまかな目安は出せても、保存状態や拵えなど、実際にその品を鑑定してみないことには買取価格を決めることができません。

たとえば、刀剣は鉄でできているため、放置すると錆びてしまいます。初めは表面につく程度のものですが、そのまま手入れをしなければ、錆びが徐々に刀身の奥の方まで及んでいき、気づいたときにはいくら研磨を施しても手遅れの状態となってしまいます。保存の状況にもよりますが、場合によってはわずか1年も経たないうちに取りきれないほどの錆びが生じるケースもあり、当然そのような刀の価値は下がり減額されることになります。
普段からのお手入れが刀剣の価格に大きく作用することは間違いのない事実。大切にしてきた刀が減額されるという残念な結果にならないようにするためにも、まめなチェックとお手入れを怠らないようにしましょう。
また、錆びはもちろん、傷や刃切れなどがある場合も大幅な減額の対象となり、同じランクの刀でも保存状態により価格に違いが生じます。

そのため、どの業者でも出張や来店、宅配など手間がかかっても必ず実物と向き合っての査定を行うのです。

◆刀剣の買い取り要素とは?

★登録証の有無

登録証がなければ売買するどころか所持することも移動させることもできません。登録証とは日本刀の戸籍のようなもので、美術的価値のあるものに各都道府県の教育委員会から発行されます。古い日本刀を受け継いだけれど登録証がなかった場合や、紛失してしまった場合は、警察署の生活安全課に相談をして、教育委員会が行っている登録審査にて審査してもらいましょう。

★錆の有無

日本の気候は湿気が多く、手入れを怠ると錆びつくこともあります。錆があれば当然評価は下がりますが、研磨するには数万から数十万円単位の費用がかかるため、とりあえずそのままの状態で査定に出して専門家の話を聞いてみましょう。錆だらけになっている場合も、登録証があれば買い取りの対象になりますので、まずはご相談ください。

★長さ

脇差や、短刀の場合は、同じクラスの刀より買取価格が低くなります。脇差しでは50~60%、短刀では40~50%ほどの減額が目安となります。

★銘の有無

まずはここから査定を始める重要なチェックポイントです。銘(めい)とは、その刀剣を作った鍛冶の名前です。有名なものでは、正宗や村正などがあり、誰の作なのかで価格も大きく左右されます。

また、在銘の刀剣であっても状態により買取価格は変わってきます。たとえば、傷がついていたり錆びていたり、鍛え割れがあったりなど、刀の状態が悪い場合は評価が下がり買取価格も大きく下がってしまいます。逆に無銘な刀剣の場合は、基本的には刀銘の価値がないため評価は低くなりますが、保存状態がよければ高い評価を得られることもあり、買取価格が上昇します。

さらに、刀が作られた時期もその評価に影響します。刀剣のプロは、刀銘に関する知識が豊富なので、その刀がいつ頃つくられたものなのか、また作者や流派についても判断することが可能。刀剣は銘だけではなく、これらトータルの評価が査定結果に反映されるため、もし自宅に所持しているものが無銘であったとしても、鑑定する価値は十分にあるのです。

★真贋

刀剣において、名刀と呼ばれるものは価格も高く、ほかの美術品と同じように偽物が存在します。偽物でもその刀剣本来の価値で査定を行いますが、正真作と同等の価格は望めません。

銘がある刀剣で、正真作である前提に限られますが、刀剣には、刀の切れ味を評価する序列というランク付けがあり、これも刀を鑑定する際に重要な基準となります。ランクは最上大業物・大業物・良業物・業物の4段階に分けられ、買取り価格に大きく影響します。

また、鑑定書があれば、刀の価値を証明することが可能。日本美術刀剣保存協会ではその価値基準を定め、鑑定書を発行しています。ランクは全4種類(特別重要刀剣、重要刀剣、特別保存刀剣、保存刀剣)。上位のランクとなるごとに、数倍の価値がつくこともあるため、非常に重要な役割を果たします。

このように、信憑性を示す鑑定書があれば、無銘の刀でも刀剣本来の価値を証明することができ、販売価格が大きく変わる可能性も期待できます。そのため、鑑定書をお持ちの場合は必ず査定の際に提出することが大切です。

★市場的な価値

市場には需要と供給があり、需要があり数の少ないものほど高価になります。いくら愛着や由来があっても、市場的価値と連動するとは限りません。

★時期相場

刀剣にも流行があります。小説やドラマの主人公が用いた刀工の作と同じ作者の刀などが人気が出る場合があります。査定時に需要のある品ほど高価買取になりやすいといえるでしょう。

◆高価買取のコツとは?

買い取りしてもらうからには、少しでも高値で!といったお気持ち、よくわかります。そこで、高値をつけてもらえるためのコツをご紹介しましょう。まずは日ごろからきちんとお手入れをし、その刀剣本来の価値を保っておくことです。万一錆びてしまったら、早めに研磨に出したりして状態の維持に努めましょう。しかし、それほど愛好する気持ちが無い場合や、今後の管理に自信が無い場合は、費用がかさまないうちに売ってしまうのも一つの方法です。そこで、刀剣の買い取りを希望される場合にはまずご相談ください!今後その日本刀をどうするべきか、総合的な見地からご相談に乗らせて頂きます。そして状態などお伺いする中で、大まかな買い取りの目安もお答え出来ます。



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