日本刀・刀剣の鑑定方法について 鑑定書のランクや種類はどんなものがあるの?

2015年12月07日(月)

「大切な日本刀を手放さなければならなくなった」このような場合、日本刀専門の買取業者に売却することで、高額での買取りが実現します。このとき、高額査定のポイントとなるのが鑑定書です。
鑑定書は、対象の日本刀について「銘が正真かどうかを鑑定し、もし無銘である場合には、その作者や時代を推定してくれるものです。偽物との区別がはっきりつくので、刀剣を売却する際には、必ず登録証と一緒に持ち込むようにしましょう。

◆日本刀の鑑定機関について

日本刀の鑑定書を発行している機関(個人もあり)はいくつか存在しますが、「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」が発行する鑑定書であるかどうかが重要なポイントとなります。なぜなら、日本美術刀剣保存協会発行の鑑定書が、もっとも信頼されているからです。

日本美術刀剣保存協会は、昭和23年、文部大臣の認可を受けて設立された財団法人で、刀剣類、刀装、刀装具を審査し、鑑定、指定、台帳の作成などを行っています。また、刀剣類の所在を明白にし、重要・特別重要刀剣類については、図譜作成することできちんと整備。さらに、刀剣博物館における展示活動、刀剣相談にも積極的であるなど、刀剣全般について熟知し、サポートする非常に信頼できる鑑定元として世間一般に認識されています。

なお、日本美術刀剣保存協会以外にも鑑定書を発行している機関がありますのでご紹介しましょう。特定非営利活動法人(NPO法人)の日本刀剣保存会は、文化遺産の日本刀剣を後世に継承し、日本文化の振興に貢献するために設立された団体で、月に一度、申込みのあった一般ユーザー、プロショップの刀を鑑定し、鑑定書の発行を行っています。審査は、理事長、専務理事をはじめとする7名の審査員と2名の審査員補で行われています。

◆刀剣を鑑定する方法について

★刀剣の銘の真偽

まず、大切なことは、刀剣の銘の真偽を確認することです。誰が作成したのか、その鍛冶職人の名前を明らかにすることで、その刀のおおよその価値が決まるほど、銘は大切なものです。

★在銘・無銘

在銘の場合は、その銘が正しいものであるか、流派、国の特徴から、作者の作風と一致するか、その時代の作柄であるかなどについて審議を行います。 無銘の場合は、時代を想定します。まずは、おおよそ古刀期(1596年以前)のものなのか新刀期(1596年以降)のものなのかに分け、次に地鉄や刃紋を見ます。刀にライトで光を当てることにより、刃紋を確認することで、流派、作者、国などを推定します。無銘の刀の場合、この刀紋が鑑定の鍵を握っていることが多いのです。

★刀装

刀装を審議する際は、柄や鞘などが、作られた当時の形を維持しているかどうかをチェックし、保存刀装、特別保存刀装、重要刀装、特別重要刀装のどのランクに該当するものか、違いを見分けます。

★茎(なかご・刀身の柄に入った部分)

茎(なかご・刀身の柄に入った部分)は、柄木の中にあるので、流派を見分ける際は、きちんとチェックする必要があります。作者や地域により特徴があるので、茎の形や目釘穴の形、位置などを見て判断します。また、錆色も重要なポイントであり、人工的につけたものなのか、自然についたものなのかを見分ける知識が必要となります。

◆刀剣鑑定書の種類とランクについて

公益財団法人 日本美術刀剣保存協会が発行する鑑定書は、次の4階級です。定められた審査基準、審査規定細則をふまえ審査が行われます。それぞれの審査基準について、一部をご紹介します。

★保存

江戸時代までの銘の正しいもの、南北朝時代までの著名刀工在銘の作のもの。無銘でも年代、国、系統が指摘できるもので、多少キズがあっても鑑賞できるものであること。

★特別保存

保存刀剣の中で、保存状態がよく「保存」より出来が良いもの。美観を損なうものは除く。

★重要刀剣

特別保存刀剣の中で、平安時代以降江戸時代に作られたもの。かつ、保存状態がよく、特に優れた出来で、国が認定する重要美術品に準ずる質を持ったもの。

★特別重要刀剣

重要刀剣の中で、保存状態に優れ、特別な出来ばえ、また、国認定の重要美術品の上位と同等のもの。
※その他、古い認定書(貴重認定書、特別貴重認定書、甲種特別貴重認定書)も存在しますが、現在の4種類に比べ、信頼性は低いとされています。

上記のどの鑑定書がついているのかにより、査定価格が違います。

鞘書とは、おもに個人鑑定家が刀剣の正真保証をするもので、鑑定書とはまた違う形式の証明書といえるでしょう。例えるなら、骨董品のひとつである掛け軸や茶道具などの付属品「箱書」のようなものです。現在もその価値を正しく示しているものもありますが、位の高い所有者に頼まれて、甘い鑑定をされているものも多いので、現在では参考程度と言う評価です。

もともとは、江戸時代の大名が蔵刀を整理するために書きとめていたメモ書きであったようですが、その後、その品物の作者が誰であるかなど、骨董品の価値を証明するものの一つとなりました。

その鞘書には様式があり、主だったものとしては、まずは作者名(在銘)を書き、次に刃長を書きます。続いて鞘書年月日、記した本人の名前、署名に代わりとして使用する花押(かおう)を、きちんとした間をあけて記します。なお、「正真」という文字を作者名と刃長の間に入れたり、最後に出来具合などを入れたりすることもあります。

◆無銘の刀剣は価値がないの?

刀剣のなかには茎の部分に銘がないものもあります。こうした無銘のものは一般的に価値が低いとされていて、どうしても買取価格が安くなりがちです。

しかし、無銘の日本刀だからといってゴミとして処分してしまったり、安値で投げ売ってしまったりするのはまだ早いです。造られた時代や刀匠、国などによっては美術品の価値が認められて高値で取引ができるものもあります。事実、鎌倉時代に造られた無銘の日本刀でも、国宝に指定されているものも数多く存在するのです。特に無銘の日本刀は造られた時代で大きく評価が異なります。

鑑定書などが備え付けられていればそれをもとに鑑定をさせていただきます。鑑定書などがない場合は、刃紋などを確認して時代や刀匠、国を推定した上で、そのお刀がもつ価値を鑑定することが可能です。

まずは刀身の茎の部分に銘が刻まれているかを確認してみましょう。銘があれば価値が高く評価される可能性があります(当然、偽銘の場合もあります)。仮に無銘であっても価値がないとは言い切れませんので、一度査定に出してみることをおすすめします。無銘のお刀が実は古い年代のもので、大変美術品としての価値、あるいは歴史的な価値が高いものと評価され、思わぬ高値で売却できる可能性もあるのです。

◆日本刀の格付け

日本刀は、その作り込みの質により、下記のように格付けされます。

★最上大業物

最高の出来栄えのもの。優れた刀匠でも、打てる保証がないほどの格。

★大業物

良質で、かなりの切れ味を持った優れた格。最上大業物ほどではないが、手に入りにくい。

★業物

切れ味のよい上等ものと呼ばれる格。一人前と呼ばれる武士は、このランクの刀を所有していた。

★準業物

いわゆる「並」といわれるランク。普通の武士はこのランクの刀を所有していた。

★なまくら

包丁よりも優れた切れ味ではあるが、上と比較すると物足りない切れ味の刀。

◆まとめ

日本刀の質を証明する鑑定書は、刀と一緒に保存し、もし、売却する際には、一緒に提出するのが、高価買取のコツです。また、保存状態により、売却時の値段に差が生じますので、必ず錆びないよう、手入・保存するようにしましょう。

★未鑑定でも大丈夫

日本刀にの評価には高い専門知識が必要です。買取業者の知識が浅かったり、悪意あるものであった場合、 不当に低い評価を受ける可能性があります。
当社では「刀剣評価鑑定士」有資格者である代表者が、全てのお客様に直接、公正かつ誠実にご評価をさせて頂いております。
まずはお気軽にお問い合わせください。



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