値段はどう決まる?刀剣の相場を徹底解説

2015年11月25日(水)

よく古美術品の価格は「あってないようなものだ」と、評されますが、これは間違いです。特に刀剣の価格に関しては明確なランクがあり、相場の変動を除けば、値段の設定は分かりやすく説明することができます。長さや業物であるか、日本刀の保存状態など他にさまざまなチェックポイントがありますが、刀剣を売ろうかと考えてる方には気になるところですね。そこで、今回は日本刀を買い取りする際の値段を決めるチェックポイントや、必要な書類についてみていきたいと思います。

◆刀剣登録証はお持ちですか?

どんな名刀も登録証がないと売買することも所持することもできません。登録証とは、車でいうなら車検証のようなもので長さや種類などが書かれた書類です。買い取りに出す場合には持ち主の名義を変更する必要があり、登録証が紛失や、そもそもなかった場合については所轄の警察に申し出て発行の手続きを取る必要があります。また、自宅で保管するだけでも登録証がないと罰せられるので注意が必要です。

◆刀剣の相場を決めるポイントとは?

★刀のランクや作者

古来からあるランクで切れ味を元にした「最上大業物・大業物・良業物・業物」、出来の良さをランクにした「最上作・上々作・上作・中上作」があり上位にいくほど価格も跳ね上がります。また、正宗や村正など人気のある作者の場合は需要が高く、価格に反映します。しかし、無名の刀鍛冶であっても刀剣の質によっては高値が付く場合もあるため、しっかりと鑑定してくれる買取業者に依頼することをおすすめします。

★刀剣のサイズ

刀剣といっても、大刀、脇差などいくつかの種類に分けられます。主なものは刀(かたな)、室町中期から江戸後期まで使用されており長さは2尺(60.6 cm)以上のものです。もう一つは脇差し(わきざし)、刀と対で腰に差していたものでサイズは一尺(30.3cm)以上二尺未満で、一尺2寸ほどのものは小脇差しと呼ばれました。また、短刀もよく出まわっており、サイズは一尺以内とされています。サイズも価格に反映されており、刀を100%とした場合、同じランクであっても脇差しは40~50%ほど、短刀は50~60%ほどの価格になるといわれています。

★細工や拵えの有無

拵え(こしらえ)とは、柄や鞘・鍔などの日本刀の外装を指します。見た目麗しい細工を施しているものには美術品としての価値も高く評価され高値が付くポイントとなります。

★刀の状態

じっくりみないと発見出来ない傷や割れでもマイナス査定の対象となります。また、日本刀を鑑賞する際に好みの別れる「刃紋」の出方や、錆の有無によっても価格が変化します。当然錆はマイナス査定ですが、打ち傷は「誉れ傷」と言い、戦いによってついた傷で一概に悪いともいえません。

★偽物・贋物ではないか

もちろん、本物と同じ価格での引き取りはできません。有名な作品ほど贋作が多いため、念入りな査定が必要です。

★製作された年代

美術品や文化財の例に漏れず、古いということが一つの価値になります。刀剣は劣化したり廃棄されたりするものですから昔のものが残っている時点で価値があることですし、それがきれいな状態で残っていればそれだけ買取価格も上がります。

刀剣の時代を分類するとこのようになります。

上古刀

平安初期よりも前に作られた刀で希少価値が高いです。いわゆる日本刀と呼ばれる形が作られたのはこの時代ですが、銘を彫る文化がなかったのでしょうか無銘の刀が一般的です。上古刀は直刀、いわゆる反りがないことが特徴です。

考古学的な価値を考えればやはり坂上田村麿のように有名な人が使っていたものや、最古のものが高くなります。博物館に飾られることもあります。

日本刀が作られる以前は剣の形をしていて、島根県からたくさん出土しています。

古刀

平安時代から戦国時代、つまり関ヶ原の戦いあたりまでに作られた刀を古刀と呼びます。鬼丸国綱や童子切安綱など、国宝と呼ばれる古刀は日本刀に詳しくない人でも聞いたことがあると思います。

古刀になると、日本刀ならではの反りが見られるようになります。

新刀

江戸時代以降(正確には宝暦以降)に作られた刀を新刀と言います。天下統一され一応は平和な時代に作られていた刀ですから、古刀に比べて作られた数そのものが少ないです。有名なものでは虎徹、仙台国包、野田重慶などがあります。

新々刀

江戸時代のうち明和(1764年)以降に作られた刀を新々刀と言います。幕末の英雄が使っていた刀は新々刀が多く、場合によっては新刀に分類されます。この辺りになるときれいに残っているものが多く、考古学的価値以上に美術的価値や歴史的価値が重視されます。

もちろん刀工による価値だけでなく実際に使った人の価値も上乗せされます。

現代刀

廃刀令の出された明治9年以降に作られた日本刀を現代刀と言います。現代刀はどれだけ素晴らしく作られていても上古刀、古刀、新刀と比べれば骨董価値はありませんが、人間国宝など著名な作者のものであれば十分な高値がつくことがあります。

★売却時の市場相場

当社はどんな刀も大切なものとして扱いますが、その価格には市場原理が関わっています。したがって市場相場が高い時に売却いただけると高い値段で売ることができますし、需要がない刀を売った場合には期待より安い値段しかつけられません。

需給バランスや景気の動向により、同じ刀が時期によって5倍も6倍も価格差が出たこともあります。日本刀は観賞用としてだけでなく投機目的で買われる方がいらっしゃるのでトレンドに左右される刀は相応のリスクがあるということです。

逆に、名刀としての価値を確立しているものは多少の上下はあっても安定して高値となります。

★希少性

古刀や上古刀の値段が高い理由は希少性です。例えば上古刀があちこちから出てくるようであれば途端に相場が下がってしまうでしょう。名工と呼ばれる作品も同様です。その一振りが希少と思われるからこその価値も反映されています。

そのため、日本刀は早めに売ることがベストです。もし売る時期を遅らせて同等の刀が市場に出回ると相対的な価値が下がってしまいます。

比較的本数が多い刀工の作品でも、変わり種であれば希少性ありと値段が高くなりやすいです。

★鑑定書の階級

「公益財団法人 日本美術刀剣保存協会」が発行する鑑定書がついていれば、その鑑定書の階級を根拠に高額査定が可能です。鑑定書を発行する機関は他にも複数存在しておりますが、日本美術刀剣保存協会の鑑定書がもっとも信頼されており、刀剣の価値を裏付ける鑑定元とされています。
鑑定書の階級は次の4つに分かれます。

保存刀剣

4つのランクの内最も低いものですが、保存刀剣とさえ認められない刀も多いです。

銘が正しく残っているものや無銘でも年代が正しく分かるものは保存刀剣と呼ばれます。基本的には江戸時代までの刀が対象となりますが現代刀でも物故者のものであればこのランクになることがあります

特別保存刀剣

保存刀剣のうち状態とその出来が良いものは特別保存刀剣となります。このランクになると新々刀以前の刀だけになります。キズがあるものは基本的に選ばれません。

重要刀剣

特別保存刀剣のなかでも特に優れた出来栄えで、旧重要美術品に準ずると認められれば重要刀剣となります。重要刀剣になるのは平安時代から江戸時代までの刀です。

特別重要刀剣

数ある刀の中でも格別に出来栄えが良く国が認める旧重要美術品に相当する価値が認められた刀です。

◆インターネットを活用して相場を調べる方法も

最近ではインターネットでの通販も盛んです。ざっくりと相場を確認したい場合には、似た条件の刀剣がどういった価格で販売されているかをチェックするのもいいでしょう。ただし、1振り1振り状態は異なるのと、販売店により利益率は異なるので、単純に比較は出来ません。

◆日本刀の鑑定なら全国刀剣買取センターへ

古美術品の中でも査定基準が分かりやすい刀剣ですが、やはり熟知していなければ分からないことも多くあります。買い取り価格でお悩みでしたら、まずは無料査定を受けてみてはいかがでしょうか?全国刀剣買取センターでは、査定に出すといっても面倒はなく、宅配されてくるキットに日本刀を入れ返送するだけで買取査定が完了します。ぜひ、ご相談ください。



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