日本刀が錆びてしまったら?錆の落とし方と錆取りの注意点
大切にしていた日本刀が錆びてしまった!久しぶりに刀を見てみたら、錆がついている!
このように刀剣が錆びていることに気づいたら、どうしたら良いのでしょうか?錆を自分で落とすことができるのでしょうか?
今回はお手持ちの刀が日本刀が錆びたときの対処方法をご紹介します。
正しい手入れをしないと、刀は錆びてしまいます
日本刀の刀身は鉄でできているため、適切に手入れをしないと必ず錆びてしまいます。そして、そのまま放置していると、どんどん錆の範囲が広がり、深くまで侵食して修復ができなくなってしまうのです。もちろん、錆びた日本刀は美術品としての価値が大きく下がることになります。
美しい刀も・・ | 放置すると すぐこのような状態になります |
一度錆がついてしまったらすぐに対処することが重要です。僅かな錆であればご自分でも落とすことが一応は可能です。
刀に錆が見つかったらまず気をつけておきたいこと
お刀に錆が見つかったら、まずは錆をこれ以上進行させないことが重要です。また、錆が発生するということは、これまでの取り扱い方に何らかの問題があるとも言えます。まずは以下の2点に注意して、お刀の錆がこれ以上ひどくならないようにしましょう。
湿気のある場所に刀を保管しないようにする
そもそも錆は金属の原子が酸素や水と結合して酸化する化学反応によって引き起こされます。鉄が水に濡れると錆びることは知られていますが、僅かな水分、例えば空気中に含まれている湿気でも錆は発生します。
お刀は必ず湿気が少ない、風通しが良い場所に保管しましょう。どうしても押入れなどにしまわなければいけない場合は、除湿剤などを使用して、なるべく空気中の水分がお刀に付着しないように心がけてください。
手垢がつかないよう刀剣に直接触れないようにする
手で刀身を触ると錆が発生しやすくなります。これは手の汗に塩分が含まれているからです。塩は水分を集めやすい性質があり、集まった水分が刀を錆びさせます。潮風が強い沿岸部で自動車などが錆びやすいのは、こうした性質があるからなのです。
刀身を触るときは、素手で直接触れるのではなく、出来るだけ手袋などをしてから触りましょう。また、刀身に唾が飛ばないように、話しながらのお手入れや息を吹きかけたりしないようにご注意下さい。
日本刀の錆の落とし方
まずは以上のように、日本刀の扱い方を見直すことが必要です。仮にお刀が錆びていなくても、上記のことを心がけてください。さて、次は発生してしまった錆の落とし方を解説します。
自分で錆を落とす安全な方法
軽い白錆や赤錆であればご自分でも一応は除去することは可能です。白錆の場合は油を拭き取った後に打ち粉を打って磨きます。1回で錆が落ちないようであれば、2~3回繰り返し拭き取ってみましょう。
打ち粉で錆が落ちないとき、あるいは赤錆が発生した場合にはメタルクリーナーを使用するという方法もあります。メタルクリーナーを少量、布か綿につけて拭き取ります。ただし、研磨剤が入っているメタルクリーナーは使用しないでください。刀身に傷がつく危険性があり、お刀の価値を下げてしまう可能性があります。
今後もお刀を手元に保管しておきたいという方は、お手入れ道具を揃えて、手入れの方法を勉強し、錆が発生した場合はご自身で対処するというのも一つの手段です。
ただし、技術がないとお刀を傷つけてしまう恐れもあるため、慣れていない方には正直おすすめはできません。また、錆の程度が深刻な錆には対処できません。
研師に依頼して刀を研いでもらう
一番確実なのはプロである研師にお刀を研いでもらう方法です。傷をつけることなく、錆を落としてもらうことが可能です。
費用の相場は一寸(3.03cm)あたり6千~1万円ほど。標準的な二尺三寸(70cm程度)の場合、14万~20万円ほど費用がかかります。さらに、研いだ刀身をこれまで使っていた鞘に納めると、鞘に付着していた錆が刀身に移ることもあるので、鞘を作り直さなければいけないケースも考えられます。
研師作業工程 |
鞘師作業工程 |
日本刀を研ぐ費用は決して安いものではないので、本当に研師に依頼する必要があるのかどうか、考える必要があります。
お刀が錆びてしまったら手間や莫大な費用がかかってしまうので、まずはお刀を錆びさせないことが重要です。
錆は落としてからのほうが高く売却できる?
日本刀に錆が発生してしまうと、どうしても美術品としての価値が下がって買取価格も下落する傾向があります。しかし、刀の錆を落とすには手間と費用がかかります。錆を落としてから売却すれば良いのでしょうか?錆があるまま売却すれば良いのでしょうか?どちらが良いのか考えてみましょう。
自分で錆を落とす場合
わずかな錆であればご自身で錆を取ってからのほうが高く売却できる可能性はあります。しかし、刀身を削ってしまったり、刀身の表面を傷つけてしまったりしたら大きく価値が下がってしまいます。また、慣れていないと怪我の危険があります。
自分で錆を落としてから売却するのは、よほど技術がない限りリスクが高いと言えます。
研師に依頼する場合
研師に依頼して錆を落としてもらえば、お刀の価値を落とさずに売却できる可能性が高いです。しかし、前述のように研師に依頼すると高額な費用がかかってしまいます。場合によっては買取金額よりもお刀を研いでもらった代金のほうが高くなってしまうことも多々あるのです。
そのため、まずは研師に依頼する前に見積もりをもらいましょう。買取業者にも査定してもらって、研磨の見積額と買取査定額を比較してみて判断すると良いでしょう。
錆のある日本刀の買取も全国刀剣買取センターにお任せ下さい
日本刀の買取なら、全国刀買取センターにご相談ください。私たちはお刀に、そしてそれを鍛えた刀鍛冶、命を託した武士、長い時代に渡って受け継いできた人々に敬意をもっておりますので、正しい銃砲刀剣類登録証さえ添付されていれば、錆や傷があったとしても買取らせていただきます。他にも、鞘や柄が壊れているものも買取可能です。
宅配キットをご用意しているので、全国どこからでも買取可能。無料で査定させていただき、はじめての方でもご納得いただけるよう、わかりやすくご説明します。錆があるお刀を売却されたいなら、まずは私どもにご相談いただければ幸いです。
≪ 刀剣の手入れについて解説!錆を防ぐメンテナンスの方法とは? | 刀剣の値段はどれくらい?相場や最高額について解説 ≫