日本刀の作り方/刀剣ができるまで ①材料の説明~鍛錬まで

2015年07月10日(金)

日本刀は、独特の素材を利用し、さまざまな工程を経て作られます。その過程を3回に分けてご紹介します。今回ご紹介するのは、材料の詳細説明~鍛錬までの工程についてです。

日本刀の材料になるのは鉄です。現在の鉄製品は、鉄を溶鉱炉で溶かし、型に流し、できた鋼材を加工することで製品化します。しかし、昔は鍛冶の職人による「鍛練」という工程を踏んだ鋼材でなければ使用することができませんでした。なぜなら、昔使用した鉄は余分な成分が含まれていたり、硬さが均一ではなかったりしたため、そのままで使用することができなかったからです。

この「鍛錬」をすることでよい日本刀を作り上げてきた鍛冶の技術をご紹介しましょう。

STEP1 材料を準備する

①へし作業

日本刀となる玉鋼(たまはがね)を加熱します。

1cmほどに薄く板状に打って伸ばします。

焼き入れをし、「へし金」を作ります。

叩いて小さな鉄片をつくり、硬さなどを考慮して5段階くらいに選り分けます。

②積沸かし作業

小さな鉄片を硬い物、柔らかい物に分け、それぞれ2~3kgずつ積み上げ、和紙で包みます。

藁灰をつけ、粘土汁をかけ、火床に入れます。

1,500度程度まで沸かします(加熱します)。

加熱部分を小槌で打ち、くっつけます。
(60mm、長さ90mmの台を作ります)

③下鍛え

つくった台に鉄片を重ねていき、1.8~2kgの重さで調整します。

再度②のように沸かし作業を行い、打ち固めます。

そのあと、200mmに打ちながら延ばしていきます。

中央部分に、材料の裏からたがねで切り込みを入れます。

中央部分に、折り返します。

折り返した面を再度沸かして、打ち延ばし、折り返すことを、硬い材料の場合は15回程度、柔らかい材料の場合は10回程度繰り返し、鍛練します。 この下鍛えをすることで、鋼が均一となります。余計な炭素などの不純物が取り除かれ、刀としてちょうどいい硬さとなるのです。 下鍛えをした「玉鋼」「銑鉄」「包丁鉄」は下鍛えが終了したら、へし金、鉄片に小割されます。

STEP2 積沸かし~鍛錬・上鍛えまで

④積沸かしによる合金化を行います。

③で下鍛えされた鉄片3種類をそれぞれにふさわしい配合比で混合。

積沸かしで折り返してから鍛錬します。

⑤心金、棟金、刃金の鍛錬

日本刀は、4つの部分(心金、棟金、刃金、側近)の組み合わせで作られています。
・心金 7回
・棟金 9回
・刃金 15回
心金、棟金、刃金は、上記それぞれの回数鍛錬を繰り返すことで、32,768枚の層状になります。

⑥側金の上鍛え(あげきたえ)

側金は、日本刀の表面になります。⑤で鍛錬した心金、棟金、刃金を組み合わせ、打ち延ばし、「芯金」という刃の芯を作ります。

側金用の鋼、3種類の鉄片を積沸かしします。

12回ほど折り返し鍛錬をします。

ここまでが、日本刀の作り方「準備~上鍛えの流れです。

大切な刀剣だからこそ

日本刀は大変な手間をかけて作られ、武器としてのみならず美術工芸品として日本の歴史を表す文化財としての価値を持っています。
これまで受け継がれてきたことを考えれば、廃棄してしまうことも、ご自宅に放置して錆びさせてしまうことも勿体無いことです。
もし刀を相続されてご不要になりましたら、当社にご相談下さい。
当社は一振りでも多くの刀を未来につなぐため、敬意を以って買取致します。



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