脇差とは何か。刃の長さ、種類、刀との違いまで徹底解説!

2020年05月20日(水)

脇差とは?

一口に刀と言ってもさまざまな種類があります。
そのなかのひとつに「脇差(わきざし)」というものがあります。
時代劇が好きな方はご存知でしょうか。
なんとなく「短い刀」というイメージがあるかもしれませんね。

今回は脇差がどんなものなのか、刀や短刀との違い、法律的な側面や扱う際の注意点や処分の方法などについて解説します。

脇差の長さの特徴を解説

武士は刀を2本腰に携えていました。
脇差はこの2本のうち短い方の刀のことを指し、長さは1尺(30cm)~2尺(60cm)です。
長いほうの刀を「本差」と言います。
脇差は刀の補助をする役割があります。
短い分取り回しが良く軽量で、剣術に慣れていない人でも扱いやすいというメリットがあります。
脇差は「脇指」とも書き、登録証の表記ではひらがなで「わきざし」「わきさし」などと書かれていることもありますが、基本的には同じものを指します。

脇差の流行は江戸時代から

そもそもなぜ武士は刀を2本持たなければならなかったのでしょうか?
そのルーツは江戸時代の「武家諸法度」にあります。
これは徳川家康が武士や公家に対して守るよう定めた法律のようなもので、第一次改正によって、武士は本差1本と、その補助として脇差1本を携帯すること、そして脇差は1尺~2尺のものとすることが定められました。

それからというもの、武士が本差と脇差という2本の刀を携えるスタイルが一般的となり、脇差の需要も大きく伸びたのです。

脇差は庶民も帯刀できた?

脇差は武士だけでなく庶民にも拡がりました。
当時、刀は町人や百性といった一般庶民には所持が認められていなかったのです。
しかし、脇差しはあくまで刀を補助するものであり、刀とはみなされていませんでした。
そのため、庶民でも所持することができたのです。

理不尽な武士や博徒の仕打ちに対抗するため、護身用や力の象徴として脇差を帯刀していた人も少なくありませんでした。
権力を持たない庶民が自分の身を守るツールとして、脇差が大活躍したのです。

脇差と日本刀との違い

前述のとおり、武士は本差(いわゆる日本刀)と脇差という2本の刀を携えていました。
2本セットになっていれば「長い方が本差」「短いほうが脇差」とシンプルに考えるとわかりやすいかと思います。

脇差は長さが30~60cm程度なのに対して、本差はそれ以上の長さがあり、おおよそ70cm~80cmです。
脇差と本差の境目は約60cmと言われています。
60cmよりも短ければ脇差、60cmよりも長ければ本差の刀だと考えて間違いありません。
また、本差は刃が長い分反りが大きく入っているのも特徴です。
反りが大きければ大きいほど殺傷能力も高くなります。

脇差・刀・短刀の見分け方

ただ、59cmの脇差もあれば、61cmの本差もあるため、長さだけで脇差なのか、本差の刀なのかを見極めることが困難なケースもあります。
そこで、もう一つの見分けるポイントとして鍔(つば)が挙げられます。
本差の刀には鍔には穴が2つあり、それぞれ小柄(こづか)と笄(こうがい)を通します。
脇差にはその穴が1つしか空いていません。
長さで判断がつきにくい場合は鍔に着目してみましょう。

また、脇差と同様に刃渡りが短い「短刀(たんとう)」というものも存在します。
脇差には鍔がついていますが、短刀には鍔がありません。
また、長さも30cm未満と脇差よりもさらに小ぶりのサイズとなっています。

脇差の3つの種類

これまでの話をまとめると、脇差は30~60cmの長さで、鍔がある刀のことを指します。
でも、その脇差のなかでも、さらに長さによって「大脇差」「中脇差」「小脇差」という3つの種類に分けられるのです。
ここからは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

大脇差

大脇差はその名の通り脇差のなかでは大振りなものを指します。
具体的には1尺8寸(54.5cm)~2尺(60.6cm)のものが大脇差です。「小太刀」や「長脇差」とも呼ばれます。
サイズだけ見る大脇差と本差の刀とが見分けがつきにくいのですが、先ほども解説したように鍔を見れば判断することができます。
新選組の土方歳三が「堀川国広」の大脇差を愛用していました。

中脇差

1尺3寸(40cm)~1尺8寸(54.4cm)の脇差のことを指します。
石田三成が関ケ原の合戦で「石田貞宗」という中脇差を帯刀して西軍を率いていました。
江戸時代になると前述のとおり、護身用として多くの町人が中脇差を所持していました。

小脇差

1尺(30.3cm)~1尺3寸(40cm)の長さで、特に脇差のなかでも小振りなものとなります。
小太刀と比較すると長さが明らかに異なり、別物のようにすら思えます。
特に有名なのは鎌倉時代の藤四郎吉光の「鯰尾藤四郎」。
ふくらの形が魚のナマズに似ていることからこの名がつきました。

実は誰でも所持できる?脇差の銃刀法上の扱いとは?

さて、江戸時代は庶民でも帯刀が許されていた脇差。現代ではどうなのでしょうか?

実は今でも脇差は誰でも所持することは可能です。
扱うのに特殊な資格や講習などを受ける必要もありません。
ただし、脇差も殺傷能力が高いれっきとした武器。
所持するためには都道府県の教育委員会が発行する登録証を備え付けられていなければなりません。

脇差と刀での価格相場の違いは

刀、脇差、短刀とある中で、その違いは価格に反映されており、刀を100%とした場合、同じ作者であっても脇差は40~50%ほど、短刀は50~60%ほどの価格になるといわれています。

脇差の管理が大変!でも、代々の大切なもの…どう手放せば?

ご先祖代々大切にされていた脇差が見つかったら、そのまま大切に保管するのも手です。
しかし、油断をしているとすぐに錆びてしまいます。
美しく手入れをして正しく管理するためには専門的な知識も必要です。

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