実は誰でも日本刀は所持できる。銃刀法上の刀剣の扱いについて分かりやすく解説!
実は日本刀はすぐ持てる!警察への届け出は不要?!
日本の伝統的な工芸品であり、美術品としても人気が高い日本刀。実は誰でもすぐに持てることはご存知でしたか?
もちろん、日本刀は武器なので銃刀法で所持が厳しく規制されているのですが、だからといって日本刀を持つことが許されていないわけではありません。
むしろ、手続きを行えば誰でも、すぐにでも持つことができます。特別な資格や講習も必要ありません。
今回は日本刀の所持に関わる銃刀法の基礎知識や、所有するために必要な手続き、注意点など、日本刀を扱う前にかならず知っておきたい情報をお伝えします。
そもそも銃刀法とは?
まず、銃刀法の正式名称は「鉄砲刀剣類所持等取締法」。
その名の通り、銃や刀剣といった武器の所持に関する法律です。
刀剣はそもそも武器であり、扱い方によっては人に危害が及びます。
銃刀法は刀剣を持ち歩きすることで発生しうる犯罪や事故を防ぐ目的で制定されました。
刀剣は以下の条文で定義がなされています。
第二条2項 この法律において「刀剣類」とは、刃渡り十五センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り五・五センチメートル以上の剣
出典:
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=333AC0000000006#5
この銃刀法によって鉄砲や刀剣類の所持は原則として禁止されているのですが、職務として所持する場合や射撃を指導する場合、狩猟をする場合などに限って所持が認められています。
同様に、都道府県の教育委員会に美術品として届け出をして登録証の発行を受けた場合も日本刀の所持が認められるのです。今でこそ工芸品や美術品として愛される日本刀。
当然のことながら、もともとは人を殺すための武器として造られました。
殺傷能力が高く、簡単に人の命を奪うことができてしまいます。
また、扱い方を間違えると、ご自身が死ぬことになったり、大怪我をしたりすることにもなりかねません。
盗まれれば犯罪に悪用される危険性もあります。
そこで、日本刀は法律で所持や取り扱いが厳しく規制されています。
ただし、前述のとおり工芸品や美術品としての側面もあるため、所定の手続きを行えば実は誰でも所持することが可能です。
日本刀所持は許可制?登録制?
犯罪を取り締まるのが警察の仕事です。
「日本刀の所持も警察の許可が要るのでは?」と思われている方も多いのですが、実際は日本刀の所持者となるのに警察から許可をもらう必要はありません。
銃刀法上の日本刀所持の扱いとは?
既に登録証が交付された日本刀の所持を基本的に管轄しているのは都道府県の教育委員会です。
日本刀には「銃砲刀剣類登録証」を備えつけなければいけませんが、この登録証を発行しているのが教育委員会というわけなのです。
※自宅で刀が見つかった際の最初の手続きの窓口は警察で、以降は教育委員会に委ねられます。
なぜ管轄が教育委員会となるのか、それは日本刀が美術品だという側面があるからです。
登録証は「本来なら持っちゃダメだけど、この日本刀は美術品だから特別にOKですよ」という意味合いがあるので、「美術品」あるいは「美術品として価値がある刀剣類」に限って発行されます。
日本刀を持ち歩く際の注意点
日本刀は登録証を備え付けていれば、自由に持ち歩くこともできます。
日本刀を居合の練習場に持って行ったり、売却するために買取店に持ち込んだりといったことも可能です。
仮に警察官に見つかって呼び止められたとしても、登録証を見せて説明をすれば逮捕されることはありません。
ただし、日本刀を生身のまま持ち歩くようなことをすると、通報されたり、トラブルが発生することも考えられます。
事故が発生したり、盗まれて犯罪に悪用されたりする危険性も0ではありません。
極力不用意に持ち歩かず、やむを得ない場合は外から見て日本刀だということがわからないよう持ち歩きましょう。
正しく登録証を取得し、携帯しましょう
都道府県の教育委員会で登録証の発行を受けていないと、銃刀法の所持要件を満たさないため、不法所持とみなされる可能性がありますので十分にご注意ください。
また、登録証の発行を受けていたとしても、それを自宅に忘れるなどして持ち歩く際に登録証を携帯していなければ、同様に不法所持とみなされます。
必ず日本刀と登録証はセットにして保管する、もしくは持ち歩くよう意識してください。
仮に銃刀法違反で検挙されてしまうと、懲役3年以下もしくは50万円以下の罰金という厳しい刑罰が処される危険性があります。
日本刀の所持・所有に必要な「銃砲刀剣類登録証」
ここからは日本刀の所持に必要な銃砲刀剣類登録証に関する疑問について解説します。
登録証にどんなことが記載されるのか?どんなときに手続が必要なのか?日本刀を売却する際にはどうすればいいのか?見ていきましょう。
記載内容について
登録証には「刀の種別(刀、脇差、短刀など)」、長さ(刃渡り)、反りの大きさ、目釘穴の数、刀工の銘、登録番号、交付年月日が記載され、教育委員会の印が押されます。
登録証はあくまでその刀剣に関する情報が記載されるのみなので、所有者の情報などは対象外です。
登録証の手続きが必要なのはどんな時?
すでに日本刀に登録証が備え付けられている場合は登録証の発行を新たに受ける必要はありません。
よくあるのが親や親族が亡くなって遺品整理をしていたときに、自宅や蔵から故人がコレクションしていた、あるいは先祖から受け継いできた日本刀が見つかるケースです。
これに登録証が備え付けられているのであれば名義変更や住所変更などの手続きをします。
登録証が見当たらなければ新たに発行を受ける必要があります。
日本刀の売却時にも登録証は必須
遺品整理で見つかった日本刀を骨董店などに売却する場合でも登録証は必要です。
仮に登録証がない状態だと売却する人はもちろん、購入者も銃刀法違反となります。
そのため、日本刀を売却する際には必ず買取業者から登録証の有無を確認され、ない場合は買取を断られることになるでしょう。
売却する前に、銃砲刀剣類登録証が日本刀に備え付けられているかを確認するのが先決です。
鉄砲刀剣類登録証の発行方法
最後に、銃砲刀剣類登録証を新しく発行してもらう手順を簡単にご説明します。
まず、登録証が備え付けられていない日本刀がご自宅で見つかった場合は速やかに警察に届け出ます。
こうしたケースはしばしばあり、やむを得ない事情なので逮捕されることはありません。
警察署に「発見届」という書類を提出します。
届け出が受理された旨と教育委員会の審査会の日時と場所が記されている書類が渡されます。
指定された日時と場所に警察から受け取った書類と日本刀、審査料(6,300円)を持参して、教育委員会の審査を受けましょう。
無事通過したら、登録証の発行を受けることができます。
日本刀が見つかったら売却するにしても、そのまま保管するにしても、登録証が必要となりますので、以上のような手続きをしっかりと行いましょう。
登録が完了すればお売り頂くことが可能です
日本刀は日本固有の美術品であり、日本の歴史を表す文化財としての価値を持っています。これまでずっと受け継がれてきたことを考えれば、
廃棄してしまうことも、ご自宅に放置して錆びさせてしまうことも勿体無いことです。
登録が完了すればお売り頂くことが出来ます。また新たな持ち主のもとで、大切に愛好してもらうことで、今後も良い形で受け継がれてゆきます。
今後の保存が難しければ、ぜひ当社にご相談下さい。当社は一振りでも多くの刀を未来につなぐため、敬意を以ってお買取致します。