日本刀の作り方/刀剣ができるまで ③研ぎ~仕上げまで

2015年09月08日(火)

「刀剣ができるまで ②」では、焼き入れまでをご紹介しました。焼き入れによって息を吹き込まれた刀身は、このあといよいよ日本刀の仕上げに入ります。

STEP4 合い取り~仕上げ調整まで

⑫合い取り

焼き入れで焼刃が完成したあとは、焼き戻しを行います。火から刀を離した状態で、約140度~150度の温度で時間をかけて熱しますが、これにより、刃の腰を強くすることができ、刃こぼれを防ぐことができます。

焼き入れを行った刃には、温度が変化した際にしっかりと科学変化させることのできなかった不安定な部分がありますが、このような焼き戻しで粘りを出すことで、焼刃の不安定な部分を安定させることができますまた、合い取りの際、余熱が残っている刀を木の台に乗せた状態で、小槌を使って刀身の曲がり具合なども整えます。

⑬鍛冶研ぎ(刀匠による研ぎ)

合い取り完了後は、いよいよ“研ぎ”の段階に入ります。基本的には、まずは刀匠が研ぎを行いますが、このことを鍛冶研ぎといいます。長い時間と手間をかけてここまで造ってきた刀の完成度を確認しながら、日本刀全体の形、そして膨らみ具合(肉置き)を直します。

⑭茎仕立てと銘切り

茎(なかご)は、やすり、もしくは銛(せん)を使って形を仕上げ、目釘穴をあけます。さらに、化粧やすりを使って、表面をきれいにしていきます。

次に、鏨(たがね)で銘(めい)を切ります。銘というのは、刀匠が、自分の作であることを明確にするもので、刀匠名、製作した年月日などを切ります。鏨で肉を切り開くように茎に名を刻むので、「切る」という言い方をします。刀匠の仕事はここまでとなります。

⑮研ぎ師による仕上げ研ぎ

研ぎ師が仕上げ研ぎをします。粗砥から砥石へ、そして最後は小さく薄い特別な砥石へと変えながら、刀身全体を研いでいきます。このとき、地の部分は青黒く、刃の部分は白くなるまで研ぎ、仕上げます。さらに、磨き棒(金属)で入念に研ぎ、光沢を出すことによって刃文を際だたせます。

⑯仕上げ調整

仕上げ磨きが終わると、外装が整えられます。柄巻き、鍔(つば)、はばきなどが、柄巻き師、鍔師、はばき師(白銀師)などのそれぞれの専門職人によりつけられ、仕上げ調整が行われます。鞘は、鞘師により造られますが、刀はそれぞれ反りが違うため、他の鞘がおさまることはありません。いずれも熟練の技を持った専門職人によって行われます。

以上が日本刀の製作工程です。多くの名刀には、このようにさまざまな職人の想いが込められています。お手元の日本刀の美しさ、完成度を改めてご覧になってはいかがでしょうか。



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